日本大学アメリカンフットボール部の薬物事件が世間の注目を浴びています。日大の理事長・林真理子が違法薬物について全面否定したこと、お飾り的な存在であることや、会見の時にヤメ検の副学長・澤田康広が「パケ」「ブツ」「カス」などの専門用語を多発して話したことなど、多くの不可解さを感じます。ビッグモーターと同様に隠された闇を表に出すために意図的に炎上させているようにも見えます。2021年11月に日大板橋病院の背任事件で逮捕された日大のドンの元理事長・田中英壽の反社の闇が残っているようにも映ります。
日大薬物事件の概略は以下の通りです。2023年8月3日、東京都中野区にある日大アメフト部の寮を警視庁が家宅捜索したところ、寮内で大麻の植物片と覚醒剤の成分を含む錠剤が発見されました。8月5日、三年生部員の北畠成文容疑者が覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反の疑いで逮捕されました。どうみても、三年生部員の北畠成文容疑者の単独犯行ではなく、もっと大きな背後があると感じます。日大薬物事件について真相を追究するために調査とワークを行うことにしました。
8/13(日) デイリー新潮の記事《日大薬物事件、“隠蔽”疑惑にチラつく田中元理事長の影 「調査の実働部隊のトップはゴリゴリの田中派」》には、現在の日大に田中元理事長派閥の残党がいることを伝えています。『「悪質タックル問題」「背任・脱税」で激震が走ったマンモス校・日本大学が再び揺れている。林真理子・新理事長(69)が就任して1年。今度はアメフト部員が大麻と覚醒剤を所持していたことが明らかになり、さらに、発覚までの“不審”な経緯に注目が集まる始末なのだ。マンモス大学の“魔窟”ぶりは新体制になっても変わらなかったということだろう。
今月5日、日本大学アメフト部所属の北畠成文容疑者(21)が、学生寮で大麻と覚醒剤を所持していたとして逮捕された。日大アメフト部といえば、2018年の悪質タックル問題で世間から猛批判を浴びたのは記憶に新しい。さらに一昨年には、日大の“ドン”と呼ばれた田中英壽元理事長(76)が、日大医学部附属板橋病院を巡る背任事件に絡み、脱税があったとして東京地検特捜部に逮捕・起訴された。かつては暴力団などとの“黒い交際”がささやかれ、絶大な権力を学内で行使してきた田中氏。逮捕・起訴は権勢を振るった日大からの事実上の退場を意味していた、はずだった。
田中体制からの脱却を目指し、22年7月に日大執行部が新理事長として迎えたのが、作家の林真理子氏である。薬物が見つかったのは、“膿を出し切る”として大学改革を行っていた、その最中の出来事だった。・・「今回、大学が隠蔽を意図したなんてことはないと信じたいですがね……」とは、事情を知るさる日大OB。「今回の調査の責任者は元検事の澤田康広副学長です。そんなことは考えもしないと思いますよ」先の日大関係者は、「薬物の調査の実働部隊は澤田副学長に加え、学内の競技スポーツ部が担当していました。その部が問題で……」と、別の見解を示す。
競技スポーツ部とは、日大本部に属する、運動部を統括する組織のことだ。もちろん、アメフト部も競技スポーツ部所管の一つである。「ゴリゴリの“田中派”」「そこの部長はゴリゴリの“田中派”で知られています。例えば、理事長時代の田中さんと外部で打ち合わせがあれば、ともに出かけて行って、その後の実務を任されていました。競技スポーツ部はその部長を頂点として、各運動部の指導者たちが部下に連なっている。彼らは皆、田中さんの寵愛を受けた人たちで、“田中派”として組織に残ってしまっているんです」(同)』。
8/9(水) の週刊女性の記事《日大薬物事件 逆ギレ副学長が大麻所持で逮捕の可能性、証拠隠滅を疑われても…会見で露見した根深い“隠蔽体質”》では、澤田康広副学長の指示の下での"空白の12日間"の日大の対応を批判しています。『「驚きですよ。大麻をみだりに保管していたら、所持で逮捕されますから」そう呆れ気味に話すのは、元大阪府警刑事で犯罪ジャーナリストの中島正純氏だ。日大アメフト部の現役部員が大麻などの違法薬物を所持していた疑いで逮捕された件で、8日、同大は会見を開いた。
参加したのは林真理子理事長、酒井健夫学長、澤田康広副理事長の3人。“空白の12日間”が物議に そんな中、同会見で終始、逆ギレした様子で臨んだ澤田副学長による説明から新たな問題点が露見した。それは“空白の12日間”。7月6日、日本大学側の調査でアメフト部の寮から植物片を発見。その後、“12日間の空白”を置いてから18日に日大側から警視庁に発見の報告をしたというのだ。これは澤田副学長の指示のもとに行われたというのだが……。「元検事である副学長がこの判断をすることは本当にあり得ないですね」(前出の中島氏、以下同)
同大の大麻問題は1年ほど前から始まっていた。昨年10月、保護者からアメフト部員に「大麻使用の疑いがあると」報告を受けた大学側が学生にヒアリングするも確認できず。だが、翌月下旬に学生から「大麻と思われるものを7月ごろ吸った」を申告。大学側が警察関係者に相談したところ「立証は困難」として、当該学生に口頭での注意にとどまっていた』。澤田康広副理事長が仕切っている様子から、個人的には、日大薬物事件の裏には、日大と検察・警察などの公権力の癒着があると見ています。
2018年6月1日のエキサイトニュース(リテラ)の記事《日大騒動で話題「危機管理学部」は安倍首相が旗振り役だった! 加計学園に作らせ、警察・自衛隊の天下り学会の名誉会長も》には、日大と加計学園にある危機管理学部は警察・自衛隊などの公権力の天下りの受け皿になっているようです。『日本大学のアメフトタックル問題で「危機管理学」がにわかに注目されている。・・2016年に新設された日大危機管理学部が教育の目標に掲げている学問領域は、犯罪やテロに対するセキュリティ、国際紛争や戦争に対するセキュリティ、災害や大規模事故のマネジメント、情報セキュリティの4つ。
「危機管理」といっても、企業のリスクマネジメントや不祥事対応などではなく、保守論壇誌で櫻井よしこサンや日本会議系の極右学者が叫んでいる「国家の危機管理」がメインなのだ。そのことは、教授陣の顔ぶれからもうかがえる。現在、日大危機管理学部には20人の教授がいるが、実に約半数にあたる9人が官僚出身。しかも、そのほとんどが、警察、公安調査庁、自衛隊など、治安組織のOBである』。危機管理はマッチポンプの闇です。日大は田中元理事長の時代から反社と公権力の癒着の土壌が構築されてきたと見ています。(つづく)