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1948年にイスラエル建国が成立して以来、中東は戦火が絶えない地となりました。ユダヤ人国家イスラエルとアラブ諸国との紛争は、4度の中東戦争を経て、未だ終結していません。

 

武器を販売して利益を得る軍産複合体の存在がある故に、構築された対立の構図だと感じます。そこには、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教が深く関係しています。

 

この3つの宗教の中で、ユダヤ教が最も古く、キリスト教、ユダヤ教の順に生まれました。それぞれの宗教を信仰する人々が集団となり、3つの勢力の対立も生まれます。

 

イスラエルはユダヤ教、アラブ諸国はイスラム教を信仰しています。ユダヤ教とユダヤ教にルーツを持つキリスト教の対立もあります。中東の闇の原点を知るためには、ユダヤ人の歴史を振返る必要があります。

 

ユダヤ教の特徴は、唯一神ヤハウェを信仰し、終末においてユダヤ人は救われるとする選民思想を持つことです。ユダヤ人には、幾度も繰返された迫害の歴史がありました。

 

第1の迫害が「出エジプト」でした。紀元前17世紀頃、カナンの地から古代エジプトに集団移住したヘブライの人々は、古代エジプトの地で奴隷とされました。


指導者モーセが、人々を引連れてシナイ半島に脱出しました。現在のイスラエルであるカナンの地に定着して古代イスラエルを建国しました。その後、北イスラエル王国とユダ王国に二分されます。

 

紀元前8世紀、北イスラエル王国はアッシリア帝国に征服され、紀元前6世紀にユダ王国は新バビロニア王国に征服されました。この時、第2の迫害となる「バビロン捕囚」が起きました。

 

決定的なユダヤ人迫害となったのがイエス・キリストの処刑です。ユダヤ人を支配していたローマ帝国にイエスを犯罪者として引渡して、処刑させました。

 

キリスト教徒にとってユダヤ人はイエス・キリスト殺しの真犯人となり、欧州のキリスト教世界において、ユダヤ人は長年にわたり迫害されることになります。

 

キリスト教やイスラム教の信者たちにユダヤ教徒への根強い不信感と憎悪を植えつけました。ユダヤ人への偏見は、差別と迫害とともに、現代まで続いています。

 

1096年、聖地エルサレムはイスラム教徒の支配下にありましたが、聖地奪回のためにキリスト教「十字軍」が遠征します。十字軍はイスラム教徒だけでなく、ユダヤ人も虐殺しました。

 

1881年には、東ヨーロッパで「ポグロム」とよばれる大規模なユダヤ人迫害が生じました。そして、歴史上最も有名なナチスによるユダヤ人迫害「アウシュヴィッツの虐殺」が起こります。


ナチス政権下のユダヤ人の差別、迫害、虐殺は凄まじいもので、最終的に600万人のユダヤ人が殺害されたと言われます。古くから迫害の歴史を持つユダヤ人は、土地を追われ、弱者の立場となりました。

 

一方で、ユダヤ人は、限られた職業の貸金業から、19世紀には、世界に分散したユダヤ人たちが国際資本を形成するまでに至っています。カルマの解消のための支配の逆転が生まれました。

 

前世で虐げられた人々が、後世に虐げた人々を支配する図式です。日本でも起きている同和の人たちによる支配です。ユダヤ人たちは、世界的な同和の人たちであり、金融を中心とする支配の構図を形成して来たのです。(つづく)