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16日、毎日新聞の「タリバンが勝利宣言 アフガン首都制圧"戦争は終結した"」のニュース記事を目にしました。『アフガニスタンの旧支配勢力タリバン政治部門トップのバラダル師は15日、首都カブールを制圧したことに関連してビデオ声明を発表した。「主要都市が1週間で陥落した予想外に迅速で比類のない勝利だ」と勝利を宣言。ロイター通信が伝えた。バラダル師は「人々の期待に応え、課題に取り組む」と述べた。

 

またタリバンのムハンマド・ナイーム報道担当者も15日、カタールの衛星放送局アルジャジーラに対して「戦争は終結した」と述べ、政府軍との戦闘が終結したとの見解を伝えた。「私たちは、追い求めてきた国家の自由と人々の独立を手に入れた」と語り、アフガン政府要人の安全を保障し、対話していく用意があると説明している。ナイーム氏は「私たちは誰かを傷つけることを望んでいない。

 

誰かを標的にするために私たちの国土を使わせることは許さない」とも強調し、「外国勢力もアフガニスタンで同じ過ちを繰り返すことはしないと考えている」と話した。』と伝えています。2001102日、アメリカ同時多発テロ事件を受けてNATOがアルカーイダを匿うターリバーン政権に対して自衛権の発動を宣言しました。107日、アメリカ軍が不朽の自由作戦の名の下で空爆を開始、イギリスも参加します。

 

北部同盟も地上における攻撃を開始し、これによりアフガニスタン紛争(2001-)が開始されました。それから約20年間、アフガニスタンは戦場となりました。20214月、アメリカ合衆国のバイデン大統領は、2021911日までに駐留米軍を完全撤退させると発表していました。バイデン政権は、トランプ政権の路線を引継いだだけです。201911月、トランプ元大統領がアフガン電撃訪問しています。

 

タリバンとの協議再開を公表したことがBBCニュースで報じられました。アフガン紛争は、2001911日の911の同時多発テロからの対テロ戦争が原点です。日本を含めた世界の多くのメディアは、タリバンが悪者、米軍を主とする多国籍軍を正義の味方として位置づけて来ました。古くから「勧善懲悪」の対立構図を人々に洗脳して、真実を隠す手法が闇のやり方です。

 

ウサーマ・ビン・ラーディンが首謀者のアルカイダやアルカイダよりも規模が大きいISILなどのテロ組織は、米国軍産複合体を中心とするDS(ディープステート)と裏で繋がっているのです。自作自演、マッチポンプの戦争です。では、米国による自作自演の戦いの目的は何かです。敵対する2つの軍隊は、ピラミッドの上層部で手を組んでいます。しかし、中層以下の人たちは戦うことになり、市民や兵士など多くの人命の犠牲が生じます。

 

軍産複合体・DSの米国の対テロ戦争の目的は、松取り(松果体収穫)と武器の販売、性能評価にあると感じます。戦争の裏の目的は松取りです。松取りのための戦争は、古くから行われてきました。中世ヨーロッパの十字軍や日本の源平合戦もそうです。昔の戦いは、純粋さがありました。特定の権力者のための松取りであり、松取りの犠牲になる人は限られていたからです。

 

しかし、近代戦争は違います。アドレノクロムのような高級麻薬として販売できるので、大金を得る金儲けのために出来るだけ多くの松を取ることになります。戦場や紛争地帯での救援活動として、国連や赤十字の医療団が派遣され、裏で松取りの仕事が組織的に行われていました。武器は、戦争で実際に使用することで実践のデータが収集できます。テロ組織にも武器を回して、武器販売によって金儲けできます。

 

一般的な戦争の目的が「松」「武器」である他に、米国がアフガニスタンを選んだのは理由があります。《歴史が示す植民地統治の暗部》に書きましたが、アフガニスタンには、「黄金の三日月地帯」という世界的な麻薬密造地帯が存在します。米国は、アフガニスタンの麻薬利権を支配しようとしたのです。これは、スペイン、ポルトガル、英国などによる植民地時代の闇を引継いでいます。

 

自然豊かな土地に住む純粋な人々の松を取り、麻薬を栽培して金儲けするのです。人と土地の光をエゴと金の闇で覆い封じることになります。アフガニスタン紛争は、表面上は政府軍(米軍)対タリバン軍の戦いですが、実際には、「松」「薬」「武器」による金儲けを目的とした工作活動なのです。工作とは隠し繕う闇です。自分が利益を得るために真実を隠蔽する巧妙な闇の仕事と言えます。(つづく)