日本ハムの不祥事には、2002年の狂牛病対策による農林水産省の制度を悪用した牛肉偽装事件があります。創業者・大社義規は、牛肉偽装事件の影響で経営から身を引き、第一線からも退きました。牛肉偽装事件は、雪印食品が始まりとなります。2001年(平成13年)10月、雪印食品株式会社による補助金詐取事件で、2002年から2004年に発覚した牛肉偽装事件の最初の事件です。
雪印食品の事件により、BSE関連の補助金詐欺の実態が暴露され、日本食品、日本ハムなどの他の補助金詐欺事件が発覚するきっかけともなりました。《「しんぶん赤旗」牛肉偽装》には、『農水省の「国産牛肉」買い上げ・焼却事業には国民の税金三百億円余がつぎ込まれています。雪印食品、日本食品、業界トップの日本ハム…。相次いで発覚した食肉業界大手の牛肉偽装はこの税金を食い物にした犯罪です。
それがどうして起こり、見逃されたのか。制度の問題点や、偽装に動いた業界の動向から検証してみました』と記されています。記事内容を読むと、大手だけ救済、「証明」骨抜き、ずさんな検査などの問題が浮き彫りになり、政府が暗黙の了解で大手企業だけに巨額な税金を流す意図があったように見えます。また、雪印事件の冒頭陳述での「損しないようにやれ」との上層部の指示から拝金主義の本質が伺えます。
このベースにあるのが、「同和利権の解明を」と訴えている同和利権の問題です。『牛肉買い上げ事業で全体の買い取り量の半分近い六千百七十トンを申請しているのが全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)。その全肉連のなかでトップが愛知県同和食肉事業協同組合で千二百四十六トンです。次いで、大阪府同和食肉事業協同組合連合会(千百四十五トン)、兵庫県同和食肉事業協同組合(八百九十七トン)の順。
トップ3を「同和利権」が指摘される団体が占めています。このうち、大阪府同和食肉事業協同組合会長を務めるハンナングループ総帥の浅田満氏については、衆院議員鈴木宗男被告に高級乗用車を提供するなど、親密な関係が明らかになっています。これらのグループの買い上げ分に不正はなかったのか。買い上げ実態の公表など、その解明が求められています』と記載されています。食肉加工業は、同和や反社と繋がっています。
その代表的存在が日本ハムに縁が深い「食肉の帝王」と呼ばれる浅田満です。浅田満(1938年-)は、大阪府羽曳野市出身の実業家で、食肉卸売業のハンナンの元会長です。部落解放同盟の元地方役員です。1947年、実父が食肉卸「浅田商店」を設立し、小学校5年生の時から店を手伝います。1951年頃、入学式の直後に中学を中退して大阪・三国の食肉小売店「神戸屋」で奉公し、その後、大阪市阿倍野区北畠の肉屋にも奉公します。
日本ハム会長の大社義規に取り入り、1964年、日本ハムの子会社「日本ミート」(現・日本マトラス)の専務に就任します。1967年12月、浅田商店を株式会社阪南畜産浅田商店に商号変更(現ハンナン)、取締役に就きます。30歳の時に大阪同和食肉事業共同組合の専務理事に就任しました。浅田満は、2004年4月、BSEに関する国の補助制度を利用し不正を行い、詐欺罪など複数の容疑で逮捕されました(ハンナン事件)。
浅田満のウィキペディアには、政治家や暴力団との深い関係が記載されています。『ハンナンが北海道進出に伴って中川一郎などの政治家や官僚と関係を持つようになり、輸入牛肉の割り当てを巡る利権を握るようになる。中川一郎 - 父親が馬喰だった縁から、馬喰仲間の紹介で浅田と知り合う。ハンナンが北海道に進出して牧場を持つとき、農業委員会に働きかけて認可に力を貸した。これを恩に着た浅田は中川のためにジェットヘリを注文したことがある。
1983年1月に中川が自殺した際には、浅田は中川の兄弟を訪ねて3億円を贈り、北海道広尾町の中川一郎記念館建設を助けた。鈴木宗男 - ハンナン資金で選挙に当選。1984年10月、若の富士(斎藤昭一、九重部屋)と浅田の長女との結婚式で仲人を務めた。1998年秋、天皇や皇后の主催する園遊会に浅田を招いた(ただし浅田自身は出席を辞退)のも鈴木だった。
また、鈴木が収監される前に乗り回していたセルシオは、浅田が社長を務めるハンナンマトラスの所有車であり、鈴木の政治団体「大阪食品流通研究会」の大阪連絡所は、やはり浅田が社長を務める南大阪食肉畜産荷受(羽曳野市)の中に置かれていた。渡辺芳則
- 山口組5代目組長。浅田の弟が山健組初代組長の山本健一の舎弟だったことからハンナングループと親交を結ぶ。1986年に浅田の父が死んだ時にも、1996年に浅田の妻が死んだ時にも渡辺は葬儀に参列した。
浅田は渡辺の依頼に応じて土地やマンションを購入し、渡辺の家族の名義で1億7200万円の定期預金を行っている。この他、渡辺の妻がハンナングループ企業の取締役に名を連ねるなど、浅田とは家族ぐるみの交際を結んでいる。山口組5代目組長の渡辺芳則とも親しく、渡辺を「ナベちゃん」と呼ぶ間柄である』。松(松果体)利権の現場は、歴史的にもサンカの役割となり、同和団体、被差別部落、反社と繋がって行きます。
現在、日本維新の会所属の参議院議員である鈴木宗男(1948年-)については、《鈴木宗男事件から繋がる日本工営と日本の裏世界の支配》などで幾度もワークを行っています。浅田満、鈴木宗男に闇の解除・統合を意図して光を降ろすと「反社。ヤクザ」「本当は純粋だけど政界はこういうもんだと闇に染まり切った」と伝えられました。人間は、一度、汚れた金の闇に染まってしまうと、もう二度と後戻りできないと感じます。(つづく)