ヤフーニュース掲載、8/31(土) 11:30配信(Forbes JAPAN)《小石にそっくりの「プラ製の人工石」が世界の海に拡散中》の記事が目に留まりました。人工石は「パイロプラスチック(pyroplastics)」と名付けられています。
英プリマス大学の環境科学者、アンドリュー・ターナーが学術誌「Science of the Total Environment」に発表した論文では、プラスチックごみを燃やすことで「パイロプラスチック」を作り出すことに成功しました。
パイロプラスチックの滑らかな表面は、波や海流にさらされることで本物の小石のようになります。それ故、パイロプラスチックは、一般的に存在しているものの、ほとんど認識されていないといいます。
また、ハワイのオアフ島のビーチでは、キャンプや釣りを楽しむ人々が灯した火によってできた「プラスティグロメレート(plastiglomerate)」と呼ばれる、溶けたプラスチックと岩の塊が見つかっています。
プラスティグロメレートやパイロプラスチックは、地球の地質に残り続けることになります。以前、北極圏の雪に「マイクロプラスティック」が入っている記事を書きました。
地球に半永久的に残存して環境を汚すプラスチックの問題は深刻です。一方で、容易に分解される「バイオプラスチック」の研究が進み、既に製品化されて来ています。
デンプンや糖の含有量が多いトウモロコシやサトウキビを原料にしたものです。日本企業の製品も上市されています。従来のプラスチックからバイオプラスチックに移行していくことが重要です。
プラスティグロメレートで検索すると、ロブ・アーノルドさんという凄い人を見つけました。英国コーンウォール州在住で、浜辺のプラスチックごみでアートを作る英国の男性です。
浜辺を清掃する団体のボランティアとして活動する59歳。"The Plastic Age"(「プラスチックの時代」)と題された世界のプラスチック汚染問題のスケールと不条理を提示する展覧会を開いています。
「毎年状況は悪くなるばかりだから、敗北主義的になってしまう。でも清掃作業をすることで自分自身が前向きな気持ちになれるんだ」とロブさんは話しています。
大切なのは「自分が出来ることをする」ことだと思います。「浜辺の清掃」と「地球環境問題の啓蒙」を自分が楽しみながら行っています。多くの人にとって、これからの時代の仕事のお手本になると感じます。