
8月10日(日)午後、甲子園の常連で高校野球強豪校の広陵高校(広島県)の出場辞退の報道が流れました。今年1月に起きた暴力事件を隠してきたことが、SNSなどのネットで拡散して炎上していました。大きく事態が動いたきっかけは、8/6にSNSで発信した、暴力を受けた被害者の生徒の保護者の実名告発だったと思います。今回の夏の全国高校野球大会に出場して1回戦に勝利した後の遅すぎた判断であり、隠蔽してきた広陵高校と高野連の責任は大きいと感じます。8/10のNHKの記事《夏の全国高校野球 広陵が大会中に出場辞退 暴力問題理由に》に広陵高校の出場辞退の内容が伝えられています。
『甲子園球場で開かれている夏の全国高校野球で、広島の広陵高校がことし1月、複数の野球部員が下級生に暴力をふるったことなどをめぐる問題を理由に2回戦を前に出場を辞退することになりました。高野連=日本高校野球連盟によりますと部員の暴力などの不祥事によって大会中に辞退したのは、今回が初めてだということです。広陵高校の堀正和校長が10日午後、兵庫県西宮市にある大会本部を訪れたあと会見しました。この中で堀校長は冒頭、部員の暴力問題などを理由に2回戦を前に大会の出場を辞退することを表明し、「各方面の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことを深くおわびいたします」と謝罪しました。
広陵高校は、ことし1月に複数の野球部員が下級生の部員に対し個別に暴力をふるったなどとして高野連から3月に厳重注意を受けていたことを明らかにしています。これとは別に元部員が監督やコーチ、一部の部員から暴力や暴言を受けたという情報がSNSで広がっています。広陵高校によりますとこれまでにSNSなどで指摘をされた事案は、新たに確認できなかったとしていて、元部員の保護者からの要望に応じことし6月に弁護士などで作る第三者委員会を設置し、調査を進めているということです。堀校長は「事態を重く受け止め、本大会の出場を辞退した上で指導体制の抜本的な見直しをはかることにいたしました」と説明しました。
また1回戦を終えてからの辞退となったことについては「事実確認をして、新しく報告しなければならないことや、不祥事に関するようなことが出てくれば直ちに検討していたが、そういったことは結果的にはなかった。しかし大会運営に支障をきたしたこと、高校野球の信頼をもっと失っていくようなこと、さらには生徒や教職員の人命に関わることが起きてしまうのではないかと、そういったことを含めて最終的な決断をした」と話しました』。8/8(金)のRONSPOの記事では、具体的な暴力事件の内容について言及しています。
『令和6年3月に元部員から令和5年に暴力、暴言を受けたとの被害の申告を受け、関係者から聴取を行い、事実関係の調査を実施したが「指摘された事項は確認できなかった」。だが、元部員が令和7年2月に広島高野連と日本高野連に情報提供を行ったため、さらに部員全員及び職員から聴取を行い事実関係の調査を実施したが「指摘された事項は確認できなかった」という。その後、元部員の保護者が第三者委員会の設置を要望したため、6月に文部科学省の定めるガイドラインに従って、「本校及び関係者と利害関係のない調査委員のみで構成された」第三者委員会を設置し、現在調査を進めているという。
ただ、これらの発表はまたまた“後手”に回った形だ。実は、6日深夜にこの元部員の保護者と思われる人物がSNSで、実名告白。選手10人と、指導者5人の具体的な名前をあげて、性的暴行や熱湯や冷水を浴びせられる行為を受け、「先生による暴力行為も見た」と明かし、すでに警察暑に被害届を提出し、学校では第三者委員会による調査がスタートしている事実を伝えていたのだ。広陵も高野連も、この別の事案が問題となっていたことも第三者委員会が設置されたことも明らかにしてこなかった』。広陵高校や高野連の隠蔽工作が露呈した形になったのです。
8/6に広陵高校野球部の元部員の保護者がSNSで、実名告白した内容は《人気ポスト(@masanews3)》にあります。『yoshiyuki irie 私の子供が経験した事実です。今広陵高校は騒がれていますが、自分の子供もいじめを受けました。不愉快なことばかりですが、子供の気持ちを考えて公表いたします。皆様お許しください。僕は元広島県広陵高校の硬式野球部で、在籍時に性被害に遭いました。内容としましては、性器を触れられたり乳首を触られたり性器の皮を剥けやっと言われました。また、寮の風呂では水の中に沈められたり熱湯や冷水をかけられたりする殺人行為にも遭いました。
その生徒の名前はK君、OS君、OA君、H君、I君、S君、SA君、SO君、SE君、T君です。その他にも、先生が生徒に対して暴力をしているところも見ました。その先生の名前は中井哲之先生、中井淳一先生、加藤先生、上田先生、高西先生です。今は広島県の安佐南警察署に被害届を出し捜査中です。またこの前第三者委員会が開かれ第三者委員会にも調べてもらっています。僕の名前は入江智祐です。皆さん拡散をお願いします』(一部生徒名は加筆修正済)。中井哲之先生、中井淳一先生とは、広陵高校野球部の監督、監督の長男で副部長・コーチのことです。
これは、教師や性加害を含めた暴力事件です。どうして、このように上級生が下級生に暴力を振るう環境になったのかに目を向ける必要があると思います。広陵高校の野球部は、多くのプロ野球選手を輩出している名門校と言われてきました。しかし、その裏には、高校関係者の大人たちの大きなエゴの支配の闇によって、集団生活を強いられる生徒たちが歪んだ暗闇に陥ってしまったことがあると想像できます。広陵高校野球部OBで阪神タイガース監督にも就き、殿堂入りしたプロ野球選手の金本知憲(かねもとともあき)氏が著書の中で、上級生の「説教」という強烈な暴力イジメの体験を綴っています。
《健康美肌X男子@ロスのIT支援のポスト》に「金本知憲:心が折れても、あきらめるな!」(学習研究社・2009年7月)の著書の問題箇所の画像が掲載されています。『ぼくたち下級生は、しょっちゅう先輩達から呼び出された。掃除などを誰かがさぼったりして叱られることもある。しかし、大体は自分たちの機嫌が悪い時に後輩を呼び出して憂さ晴らしをするのだ。ぼくたちはそれを「説教」と呼んでいた。正座して先輩の話をひたすら聴かなければならない。ある日、ぼくは普段以上に激しい説教を受けた。気がつくと、ぼくは正座をしたまま一瞬気を失っていた。
2、3人がかりで殴られ、蹴られたのだ。(こいつら、俺を殺す気か?)そう思ったけど、反抗すればもっとひどくやられるので、ぐっど唇をかみしめて堪えていた。その時、先輩の誰かがスパイクを履いたまま、ぼくの太ももを踏みつけた。スパイクには金属製の爪がついている。その爪がぼくの太ももの肉をえぐり、血が出た。ぼくの太ももには、くっきりとその爪の跡が残っていたのだ。この事件の前にも何度か寮から家に電話を掛け、母に泣き言を言ったことがあった。「しんどい。もう辞めたい」』。
wikiによると、金本知憲氏の生年月日は、1968年4月3日(57歳)です。高校1年生の時は1983年頃で、今から約42年前です。広陵高校野球部の暴力イジメは、40年以上前から存在していたのです。これは、個々の校長、教師、生徒の誰々というものではなく、代々引き継がれてきた伝統の裏にある隠されてきた大きな闇だと感じます。個人的には、支配の闇が強い程、集団における人間は、陰湿な暴力に走る傾向があると捉えています。陰湿な暴力の背景にあるのが集団で生活する寮生活だと見ています。広陵高校の寮について追跡することにしました。(つづく)