9/25(水) 19:55配信 (朝日新聞DISITAL)『奈良知事「大仏だけ見る人、来なくていい」後に撤回』のヤフーニュース掲載の記事に目を向けたいと思います。直接的には奈良県知事の失言が問題になっています。
しかし、本質は観光客で混雑している現状の問題です。渋滞解消のために45億円掛けて整備した「奈良公園バスターミナル」。でも、事前予約が必要など、使い勝手が悪くて利用するバスが少ないといいます。
奈良県は、世界遺産の神社仏閣が数多くあり、大勢の外国人観光客が訪れます。余りに多くの観光客のために交通渋滞やバスに乗れないなど、地元の人たちが生活するのに困る状況になっています。
「観光公害」「オーバーツーリズム」という言葉も生まれています。どうして、こういう状況になったのでしょうか。1つは、「観光」が、お金を得るための人集めになっているからです。
地元の自治体、旅行会社、政府などが、とにかく多くの訪日客を呼び込むための施策をしていることがあります。日本の観光地で、一番、「観光公害」が表面化しているのが「京都」です。
今年3月、4年ぶりに巡礼の旅で京都を訪れました。車ではなくバスでの移動を選択しましたが、混雑状況は凄まじかったです。バスも外国人観光客で満員になり、道路も渋滞していました。
特に、八坂神社の周辺は、凄く混んでいました。あの不快さを一度、経験したならば、当分、京都には行きたくないという気持ちになります。地元で生活している人たちの大変さが分かります。
根本的な原因は「人のエゴ」だと感じます。とにかく多くのお金を得るために、多くの人を集めるという目的だからです。お金を追い求めると人が虐げられます。
現在の「観光」を「数量」から「質」へ変えて行くことです。多くのお金を得るために多くの人を集める「観光」ではなく、その土地の歴史や文化などの良さを知ってもらうための本来の「観光」に変えて行くのです。
旅行会社もツアーなどを大人数から少人数に変えて行く必要があると思います。学校の修学旅行も、何十人、何百人単位での旅行を変えて行った方が良いと感じます。
最終的には、人の意識が変わらないと「観光」の現状は変わらないかもしれません。「みんなが行くから行く」のではなく、「自分が行きたい所に行く」ことが大事だと思います。