2019年12月4日、福岡市の非政府組織(NGO)ペシャワール会現地代表の日本人医師・中村哲さん(73)が、アフガニスタン東部ナンガルハル州で銃撃されて亡くなったニュースを知りました。
車で移動中に何者かに銃撃を受け、右胸に一発被弾しました。現地の病院に搬送された際には意識がありましたが、さらなる治療の為に米軍のバグラム空軍基地へ搬送される途中で死亡しました。
戦場となった国の人々ために献身的に働かれた尊い命が犠牲になりました。「アフガニスタン」という国名で、「麻薬」に関係したことが原因だと感じていました。
「アフガニスタン」は、パキスタン、イランと接する地域を「黄金の三日月地帯」と呼ばれ、世界最大の麻薬密造地帯とされます。ケシの栽培が世界の80%を占めるといいます。
ケシの実の汁が「アヘン」になり、「アヘン」に「モルヒネ」が含まれており、「モルヒネ」から「ヘロイン」が製造されます。「ヘロイン」は、依存性と身体的有害性が、共に最強の麻薬です。
《【アフガン】ケシと民族対立 沃野になられては困る勢力が中村医師を暗殺した》(2019年12月8日 02:42 田中龍作ジャーナル)には、現地のケシ栽培と麻薬利権を得ようとする民族の対立状況が書かれています。
「農家一戸あたりの月収は100~200ドル。ケシは2,000ドル~4,000ドル」「ケシの栽培と搬出は各軍閥の利権。軍閥とは国内各民族がそれぞれに持つ武装集団のこと」。
「アフガンはパシュトゥン、タジク、ハザラ、ウズベクの4民族から成る。それぞれが軍閥を持つ」。2001年、米国は、「対テロ戦争」の名目で、タリバン政府壊滅のためにアフガンに侵攻しました。
しかし、実際は、麻薬利権を得るためだったとも言われます。1989年にソ連軍がアフガニスタンから撤退後、麻薬はタリバンや北部同盟など軍閥勢力の財源と化して来ています。
2015年までの14年間、米軍がアフガン駐留しても、現在は、世界のヘロインの90%がアフガニスタンで生産されています。現実世界では、「お金」「麻薬」「戦い」が闇のトライアングルになっています。
中村医師は、人々のために用水路を作り、命の水を引く仕事もしていました。麻薬利権を持つ勢力は、肥沃の土地にしては困るのです。中村哲さんのご冥福をお祈りいたします。