今年の札幌は、例年になく雪が少ない12月になっています。先日の昼過ぎ、久々に円山原始林に散策に出かけました。雪が降らなくても、氷点下の気温で、顔が冷たくなります。
標高225mの低山の円山を取り巻くように原始林の森があります。7年前に、初めて訪れて以来、毎年、足を運んでいます。春夏秋冬の四季を通じて、それぞれの良さを感じます。
森の中に入り、散策路を通って行くと、見たことのない立札が目に入りました。《野生動物に餌づけをしないでください》という表題の管理事務所からのお知らせでした。
公園内の放送で「野生動物への餌づけ禁止」を伝えていたのは、最近、始まっていたのは知っていました。「良かった。やっと変わって来た」と嬉しい気持ちになりました。
円山原始林に最初に来た頃、ひまわりの種とカメラを持った人たちと遭遇する機会が多々ありました。森にいる野生のリスに餌やりをして写真を撮るために、来ているのです。
ある時、本当に驚くことがありました。森を散歩していると野生のリスが現れて、私のジーパンの足を登って来るのです。ひまわりの種などの餌をねだっていると分かりました。
もう野生動物ではなく、犬や猫と同じペットになってしまっていました。伴侶が見るに見かねて餌やりの女性に注意すると「どこにも書いてないじゃないの」と逆切れされたことがありました。
自然を大切にすることの意味を理解していないのです。《餌づけ禁止》の掲示板には、《餌づけによる野生動物や環境への影響》として、分かり安く9項目の理由を記述していました。
『「動物がかわりい」「もっと近くで見たい」「食べ物に困らないように」など、動物への愛着でエサを与えることがありますが、かえって動物や人間、自然環境に悪影響を与えてしまう危険性があることが分かって来ました。』
野生動物に餌づけをすることは、自然を壊すことです。全ては人間のエゴから生まれます。人間のエゴから自然を守る必要があるのです。自然を大切にすることは、自然の立場になってみて、どうかを想像することから始まります。
基本は、そのままの状態で見守ること。何も足さない、何も引かないスタンスです。「自然を大切にする」という光が広がって行くことを切に願っています。