7月3日の東京新聞の《撮影方針に従わせる誓約書 テラスハウス、出演者と交わす》の報道記事を読んで、テレビの世界の闇の本質がようやく暴かれて来たと感じました。
フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演したプロレスラー木村花さん(22)が、視聴者らから誹謗中傷を多数受けた後に死去した問題で、ようやく真実と思われる内容が伝えられました。
番組の制作側がスケジュールや演出を含む撮影方針に従わせる誓約書を出演者側と交わしていたことを、同局が3日、定例会見で明らかにしました。木村さんが自殺した原因の本質がテレビ局にあったのです。
リアリティー番組と名を打ちながら、実際は「やらせ」番組でした。《木村花さん母が告白 娘が明かしていた「テラスハウス」の“やらせ”《遺したLINEには…》》と週刊文春が詳細を掲載しています。
テラスハウスに出演した当初から、木村さんは、スタッフに「プロレスラーらしく振舞え」「1のことを100にして盛り上げて欲しい」と言われていたと告白しています。
最初の頃、木村花さんは、「暴力的な女子が男性に乱暴を働き、SNSの批判を苦にして自殺した」という捉え方をされていました。誹謗中傷した人たちを直接的な加害者として扱っていました。
私は、テラスハウスの番組を観たことはありませんが、「やらせ番組」であるのに「リアリティー番組」にしたフジテレビが嘘をついていると感じていました。
視聴率を上げるために、視聴者を含む全ての人々に対して、罪深い嘘をついていたのです。実際に、自分の正体を隠して、嫌がらせや誹謗中傷する醜い人間も存在します。
また、政治家などの権力者に金で雇われて、ネット工作のために、嘘の批判やコメントを書きこむ卑劣極まりないネトウヨもいます。しかし、今回の木村花さんを命を奪ったテレビ局の嘘は、極限的なものです。
今、自分の利益や金のために、「やらせ」「自作自演」という隠し演じる嘘をつく人たちが、政治、経済、芸能やYouTubeの世界にも存在します。「やらせ」という嘘は、裏を隠すために表を整えるという現実世界での人間のエゴの最終形です。
金のための平気で嘘をつく汚れきった人たちのために、純粋な女性が命を絶ったのです。嘘で固められた暗闇を終わりにしなければいけません。木村花さんのご冥福を心よりお祈りいたします。